間取り・照明・音 ― 眠れる家の設計ポイント
どんなに良い寝具や家具を揃えても、家そのものの設計が“眠りやすさ”を妨げていることがあります。
例えば、寝室がリビングの隣でテレビの音が響いてくる、朝日が強すぎて早朝に目が覚める、外の車の音が気になる――。
こうした「眠りを邪魔する要因」は、家の間取り・照明・音環境を工夫することで改善できます。
今回は、とうくりが大切にしている「眠れる家の設計ポイント」をご紹介します。
1. 間取り ― 寝室は“静けさの拠点”に
眠りを深めるには、寝室を生活動線の“喧騒、騒がしさ”から離すことが大切です。
例えば、玄関やリビングに隣接した寝室は、家族の動きや音が伝わりやすく、夜の安らぎが得にくくなります。
とうくりでは、
寝室を家の奥まった位置に配置する
階段や水回りの音を避けるため、トイレや浴室と壁を共有しない
廊下や収納でワンクッション置く
といった工夫を提案しています。
こうすることで、「夜は寝室に入ると静けさが包んでくれる」という安心感が生まれます。
2. 照明 ― 光の色と強さが眠りを左右する
照明の明るさや色味は、眠気を呼ぶ体のリズム(睡眠ホルモンの分泌)と深く関わっています。
寝室に昼白色(青白い光)の照明を使うと脳が“昼”と錯覚し、眠りが浅くなる原因に。
逆に、オレンジ系の暖かい光は落ち着きを与え、眠気を誘います。
とうくりが提案するのは、
・寝室は間接照明や調光ライトでやさしい灯りに
・リビングから寝室に入るまで、少しずつ明かりを落として気持ちを休める
・タイマー付きの照明で、寝る前の過ごし方を自然に整える
こうした「光の工夫」が、眠りに入りやすい雰囲気をつくります。
3. 音環境 ― 静けさをデザインする
音は眠りを妨げる大きな要因です。
特に、車の走行音や近隣の生活音は、無意識にストレスを与えます。
とうくりの家では、断熱性能の高いサッシを採用することで、外部の騒音を減らす工夫をしています。
また、寝室内の音の反響を抑えるために、
・無垢材の床や布製カーテンで音を吸収
・建具や扉をしっかり閉じる造りで、外音を遮断
・寝室を南側よりも静かな北側や東側に設置する
といった「静けさの設計」を意識しています。
4. 心地よい眠りをデザインする家づくり
眠りは、ただベッドに入るだけでは得られません。
“眠りを迎え入れる空間”を設計することこそが、家づくりの本質のひとつだと、とうくりは考えます。
間取り・照明・音――この3つが整うことで、家全体が夜の“静かな時間”を演出し、心身をリセットする力を持つのです。
次回予告
次回は、「布団・ベッドだけじゃない!眠りを育む空間づくり」について。
寝室のインテリアやカーテン選び、和室・洋室の違いなどを掘り下げます。